昔々の漫画に「グレートマジンガー」という作品がありました。

 いえ、アニメではなく漫画のほう。桜多吾作さんという方が描かれていました。アニメとはベクトルが違う、よりシリアスなストーリーで、熱心なファンがいることで知られています。


グレートマジンガー 1 (アクションコミックス)グレートマジンガー 1 (アクションコミックス)
(1997/10)
永井 豪、桜 多吾作 他

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 その中に、スーパーロボット・グレートマジンガーの設計図が研究所から盗まれ、ある企業がグレートを量産し始めるという話があります。作者はこれを「リアリスティック」な文脈の中で描いているのですが、今となれば一点、ツッコミどころがあります。

 そもそも、設計図が読めさえすればスーパーロボットは造れるものか?

 オリジナルのグレートマジンガーは、兜剣造博士が設計し、科学要塞研究所の技術者たちによって組み立てられました(そしてアニメでも描かれたように、常に改良・パワーアップが図られています)。
 技術者というのは、ある機械や製品を開発する過程で、それらの製造に関わるノウハウと経験も蓄積していっているはずですが、同等の技術とノウハウを、しかも「量産」が出来る位の水準まで、たかだか一私企業が持っているものだろうか?

 ……いいや、ない(反語)。

 もちろん、上のようなツッコミどころにもかかわらず、桜多さんの「グレート」は傑作ですし、その評価は変わるものではありません。
 実は、本題はここからです。

 設計図が読めさえすれば、設計者が意図したとおりに、完全に稼働する完成品が出来上がるものか?

 設計図が完璧であっても、それを実際に造るのは現場の技術者であり、末端の建設労働者だという事実、それはまさに原子力発電に当てはまることではありませんか。

 今の私たちは、原発を現場で造り、メンテナンス作業に当たっているのが孫請け・曾孫請けの労働者たちだったということを知っています。
 JAXAの宇宙ロケットがそうであるように、複雑精妙な機械は、設計図の意図を実現するために、造り上げる側の手もまた熟練していなくてはならないこと、これも常識に照らせば容易に分かることです。
 なぜ今アメリカのNASAがサターン5型のような大がかりな月ロケットが造れないか? 単純に言えば、設計図があったとしても、それを造る人間の技術が継承されていないからです。

 原発はどうか。
 設計が完璧ならまだしも、ある元技術者が指摘するように、設計自体にも欠陥があったとしたら。
 建設・製造過程でも100%の安全を保証する技術が伴わっていなかったとしたら。

 つぎつぎに報道され、知らされる事実はその危惧を強めることばかりです。
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2011.08.06 Sat l 世相 l COM(0) TB(0) l top ▲

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